学校を卒業して就職した新人看護師は、いろいろな試練に立ち向かわなくてはいけません。看護師を養成する学校で学び、国家試験に合格しているので看護技術の基礎は身についていますが、あくまでも基礎です。医療現場で一人前に働くため、まずは看護技術に精通しておく必要があります。
新人の待遇は勤務する医療機関によって異なりますが、新人看護師には新人用の研修が用意されるのが一般的です。また、勤務開始から少なくとも数カ月は、経験豊富な看護師とペアを組んで仕事をするのが通例となっています。勤務開始直後は緊張のため、ミスが生じるおそれがありますが、先輩看護師の監督があるので過度な不安を感じる必要はありません。一定の期間が経過して業務に慣れれば、看護手順についての心配は減っているはずです。
このあたりから生じる新たな試練として、患者本人やその家族とのコミュニケーションがあります。看護師は医師の診察をサポートするだけではなく、医療上のさまざまな説明を患者や家族に行うことになるのです。入院が必要な病状だと、患者や家族は精神的に動揺していることがあるので、冷静かつ簡潔に説明しなければいけません。多忙だとしても、雑な対応は避けなければいけないのです。
入院をするような患者の場合は特に、看護師は医師よりも身近な存在になります。頼られ、信用される存在になるには、技術面と精神面の両方で試練を乗り越える必要があるのです。試練を乗り越えたとき、職場で一人前の看護師になっているでしょう。しかし、どうしても乗り越えられない試練があると悩む新人看護師は、最終手段として転職を考えてみてもいいかもしれません。